January 26, 2008

1/26(土) 観劇〜「空白に落ちた男」inベニサン・ピット

仕事。
一日バタバタ、なんて簡単な言葉では済まない、最近では一番余裕がなくなるほどの一日。
当然、昼食はおろか、水分も1滴も口にすることなく、1日が終わる。

しかし思うことは、人間の知性というものはとても大切であるということ。
要するに、知らないで行動することが、この現世の混乱を招いていることに、他ならないのだ。
知らないでも、自己を正当化する人。
本当に怖い。

自分が持っている知性を、有限性として、その中で考えて行動する。
これほど怖いことはない。
常に、疑わないと。

でも、大人になる、ということは、「自信がつく」ということではなく、自分に有限性が固まっていく、それ以外の何物でもない。。
怖い。

森下で働くようになって、森下にある劇場「ベニサン・ピット」で、仕事終りに舞台を観ようと思って、やっと実現。
公演の開演時間が、7時30分というのが、ベター。

やはり、文化的な社会というのは、仕事終わりに、ライブや舞台の観劇ができること。
それが成熟した社会というもの。

「空白に落ちた男」チラシ(表)

空白に落ちた男
首藤康之 主演
小野寺 修二 作/演出・出演
coba/音楽


実は、この公演が観たいというのがありきではなくて、「ベニサン・ピット」で観るのが目的で、オークションでチケットを定価でゲット。

実際、少しだけ調べて、音楽とダンスがメインということで、自分が今まで観ていない、未知の領域であることが分かり、文字通り、自分の枠を広げるという意味で必要かと、そんな気持ちでした。

会場は、女性が主。
う〜ん。

開演前に、「演出上で、暖房を切ります」とのこと。
客席に動揺が広がるが、何しろ、元倉庫(だと思います)、どのくらい温度が下がるのが分からないドキドキ。

この公演では、楽天チケットもチケット販売している。
楽天チケットでは、バーコードを印刷して会場に行くスタイル。
観劇でもなんでもそうだが、チケットを持って、もぎりの方にチケットを切ってもらうのが、なんだかんだ言っても、いいのに。
このバーコードを、チケット購入者に届けるのに、手数料と称して250円を取る、あくどい会社が、楽天なのだ、と思いつつ。
でも、入口で、そのバーコードを読み取る機械に不具合で、長い行列。
もはや苦笑を通り越して、不愉快。
チケットの人は、どんどん入場。
反省してもらいたいもので。
結局、自分も、バーコードのところにハンコを押してもらって入場。
なんだこれは、バカ野郎。

豪華なセット。
非常に手が込んでおり、天井が床になっていたり、左右の側面も、床になっているように見える、セット。
左の側面には、洋服(コート)や帽子をかけるものがついていたり、右の側面には、洗面所(小さいお風呂かな)がついていたり。

始まってみて、納得。
セリフはなし。
音楽と、踊り、そして、体の動き。

セリフに依存して観劇している自分にとっては、非常に睡魔が襲ってくる。
特に仕事終わりなので、よけいに。

また、初めのほうは、言葉がないということへの苛立ちさえ感じた。

しかし、これはすごい、とジワジワ感じます。
音楽と体の動きで、笑わせます。
まさに、太古の人間のルーツに戻ったかのよう。

観ている側からすると、聞いている音楽のタイミングなんてわからないところで、演者の動きが全員一致するのは、さすが、極上のプロフェッショナル。
すごい、という言葉しか出ません。

演じている内容、動き、タイミング、すべてが、極度に洗練されている。

先ほども述べたが、言葉に依存している自分としては、物足りなさがない、と言えばうそになるが、それは上演時間が90分になっていることで、逆に集中して楽しむことができた。

小さい客席であるが、カーテンコールが3回もなったこと(客席も決して超満員ではなかった・土曜日の夜ということもあるからだろうが、それにしても)からも、満足度は分かってもらえると思う。

最後に、ダンサーの首藤 康之氏の素敵な笑顔が垣間見れた。

音楽も、非常に適宜で効果的であるが、何といっても、踊り(というか、演者全員の体の動き)。
チケット代は決して安くないが、観ても決して損しないと思います。



hasegawa_takeshi at 23:59│Comments(0)TrackBack(0) 演劇 | 音楽

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