こまつ座

May 26, 2010

5/26 (水) 「ムサシ‐ロンドン・NYバージョン」@彩の国さいたま芸術劇場

洗車を久しぶりにする。
よく休みに洗車をしている人をいて、ああいう休みの仕方は嫌だな、と思っていたが、そういう自分もそうなっているのだなと。
しかし、汚くなっていたし、ガラスが水をはじかなくなっていた。
時間にして15分ほどで終わったが、気持よさは半端ない。

自宅から、大宮まで下の道で、1時間15分ほど。
久しぶりにさいたま芸術劇場に。
我が家からは電車で行くと、乗り換えが3回1時間30分、車で行くと、首都高で30分。
オノヅト決まってくるのだ。

着いたころには予報通り雨。

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「ムサシ‐ロンドン・NYバージョン」
@彩の国さいたま芸術劇場

作 井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)
演出 蜷川幸雄
音楽 宮川彬良

宮本武蔵・・・・・藤原竜也
佐々木小次郎・・・勝地涼
筆屋乙女・・・・・鈴木杏
沢庵宗彭・・・・・六平直政
柳生宗矩・・・・・吉田鋼太郎
木屋まい・・・・・白石加代子

平心・・・・・・・大石継太
忠助・・・・・・・塚本幸男
浅川甚兵衛・・・・飯田邦博
浅川官兵衛・・・・堀文明
只野有膳・・・・・井面猛志

慶長十七年(一六一二)陰暦四月十三日正午。
豊前国小倉沖の舟島。真昼の太陽が照り付けるなか、宮本武蔵と佐々木小次郎が、たがいにきびしく睨み合っている。小次郎は愛刀「物干し竿」を抜き放ち、武蔵は背に隠した木刀を深く構える。武蔵が不意に声を上げる。「この勝負、おぬしの負けと決まった」。約束の刻限から半日近くも待たされた小次郎の苛立ちは、すでに頂点に達していた。小次郎が動き、勝負は一撃で決まった。勝ったのは武蔵。検死役の藩医に「お手当を!」と叫び、疾風のごとく舟島を立ち去る武蔵。佐々木小次郎の「厳流」をとって、後に「巌流島の決闘」と呼ばれることになる世紀の大一番は、こうして一瞬のうちに終わり、そして・…物語はここから始まる。


musachi_2010


チケット代が1万円を超えるので、初めに買わず、オークションで半額で購入。
それで、会場に来てみると、結局は1万円を超したチケット代の公演は今までいい思いをした気がないことを思い出す。
いわゆる、1万円も払ったのよ、というマダムが集うのだ。

今回も、公演中に居眠りをしたり、平気で遅刻をしたり、その上でわざとらしくスタンディングオベレーションをするのだがら、腹がたつ。
まあ、主役がご高名な芸能人、それをありがたく思うのは結構。
しかし、私はそう思わない、それだけだ。

今回の内容は、井上ひさしが子供向けに作った作品ではないかと思わせるほど平易。
しかし、その内容も客席には伝わっていないのではないかと思わせる会場の空気。

残念ながら、藤原竜也は声が通らない。
それだけが残念でならなかった。

しかし、周りは名優だらけ。
それでなんとか救われた。

いつもの濃厚な井上ひさし作品の雰囲気から考えると、かなりスカスカな世界に驚いたが、平和を祈る彼のメッセージは非常に重要。

スタンディングオベレーションするほどの質ではない。
もちろん1万円も出して観る作品ではない。

帰宅も下の道で。


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車で聞いていた音楽

THE BOOMTHE BOOM
アーティスト:THE BOOM
販売元:ソニー・ミュージックレコーズ
発売日:1992-09-21
おすすめ度:5.0
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初期4作品のベスト。
驚くほど質が良く、いい曲だらけで、予想以上の驚き。
本当に才能にあふれている人たちなんですね。

hasegawa_takeshi at 23:59|PermalinkComments(1)

May 04, 2010

5/ 4 (火) 観劇「化粧 二幕」@座・高円寺1

あまりにも暇な一日。
仕事を早々に切り上げて、高円寺に行く。

今日は、井上ひさし作、渡辺美佐子主演の「化粧 二幕」を観る。
AとAのお祖母ちゃんと三人で。

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作 :井上ひさし
演出:木村光一
出演:渡辺美佐子 


-あらすじ-
大衆劇団「五月座」の女座長・五月洋子は、間もなく取り壊しになる古びた芝居小屋の楽屋で、今夜の舞台の準備に追われている。そこへテレビ局のスタッフが現れ、生き別れになった息子が会いたがっていると洋子に告げる。けれど、息子を捨てた洋子には今更合わせる顔もなく、母子の想いを断ち切って舞台へ向かっていくのだが……。

-解説-
初演から28年。見えない鏡で仕切られたあちらとこちらを軽妙な台詞でつなぎ、観客の想像力を掻き立ててきた渡辺美佐子の『化粧 二幕』。世界中で再演を重ねたこの舞台も、本公演で演じ納め。作品も俳優も、新しい出会いを求めて、新たな一歩を踏み出します。
これまでの出会いに感謝して、これからの出会いに胸ふくらませて、最後まで賑やかに演じます。渡辺美佐子の渾身の舞台にご期待ください。


井上ひさし追悼のコーナーがあった。

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また、この座・高円寺のこけら落としで1カ月公演した作品。
76歳の渡辺美佐子さんの、この公演の最終。
彼女はこの公演で、この作品はおわり。

客席は、今まで観たことがない程多くの席、満員のお客さん。
通路もせまく、ビッチリ入っている。

そして豪華なステージセット。

この舞台を観ると、このタイトルとこの公演内容の組み合わせがわかる。

もともと、一人舞台はあまり興味がなかった。
やはり…難しいと思っていたが、観てみたら、たしかに一人芝居は観ていて厳しいところもあるが、それでも、大熱演。
脚本もしっかりと練られていて、特に、ことばがひとつひとつが大事に扱われて、やはり井上ひさし氏作品を観ている時に感じる、独特の雰囲気、何というかふわっとしている雰囲気、重いテーマでも、ほっとさせる軽い雰囲気を感じた。

膨大なセリフ、分かりやすい展開、舞台らしい、舞台ならでは、舞台ではないとできない作品。

最後はハッピーエンドで終わらないのが井上作品らしい。

終演後、ものすごい速い呼吸で、如何に大変な作品であることを思い知らされる。
そして、感極まっている渡辺美佐子さん。
こちらも感動しました。

トリプルコール。


終わってから、高円寺の街をブラブラして、居酒屋に3人で入る。
高円寺の焼鳥屋さん(特に大将)では、どこも繁盛しており、うらやましくもあった。

大生を3杯(もしくは4杯)を飲んで、完全に泥酔。
船堀駅まであまり記憶なく、次の日が仕事でなく休みということもあり、すぐに寝る。



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5月1日に、「こまつ座」から届いたメール


 井上ひさしは、4月9日午後10時22分 肺がんのため自宅にて永眠いたしました。
享年75歳でした。生前、皆様に賜りましたご厚誼に深く感謝しつつ、ご報告申し
上げます。
 井上本人の遺志により、葬儀は近親者のみで営み、香典、弔花等はご辞退
いたしております。「自分の作品をお読みいただくこと、劇場に足をお運び
いただくことができますのなら幸せです」と言って旅立ちました。
 私共こまつ座はその遺志を受け継ぎ、これからの井上作品の上演をもって
追悼をしていきたいと思っております。そして上演し続けることで、次の世代に
井上作品を手渡してまいります。
 皆様にはたくさんの励ましやご厚情を頂いておりますこと感謝いたして
おります。これからもぜひ劇場にお越しいただければ嬉しく存じます。
 また、上演会場、川西町フレンドリープラザ、シベールアリーナ、仙台文学館
にご記帳台を設けていただいております。
 今後とも変わらぬご支援をいただき、井上作品が末永く皆様に愛されることを
願っております。

 2010年 5月  こまつ座 代表取締役社長 井上 麻矢


hasegawa_takeshi at 23:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)